毎日新聞社から最高裁判所へ

皇居に対して屹立する社屋──それが毎日新聞社のイメージだった。僕はずっと、丸の内、霞ヶ関、永田町を歩きながら毎日新聞社の社屋を見ていた。今回、まったく違う方向から見てみた。

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一ツ橋から見た毎日新聞社

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首都高速の先に毎日新聞社が見える


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大手町側に面した入り口


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皇居側から見た毎日新聞社

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最高裁判所

戦後政治史とアメリカ

浅沼稲次郎が殺害されたときに池田勇人が衆議院本会議で読み上げた弔辞は有名だ。いわく、好敵手の座る椅子が空席になってしまった、私は誰に論戦を挑めば良いのか、と。民主主義国家における弔辞としてこれほど格調高いものはあるまい。多少なりとも戦後政治史に興味を持った者ならば誰しもが知っていることだろう。

浅沼は大日本愛国党に所属していた右翼の少年、山口二矢に刺殺された。戦前から社会主義の運動に加わっていた浅沼は、まさかこのような形で死ぬとは思っていなかっただろう。「演説百姓」「人間機関車」と呼ばれた朴訥な浅沼が所得倍増計画を推進した池田の前でどれほどの力を発揮できたのかは分からない。しかし、政治家として演説中に人生の最期を迎えることはこのうえない名誉なことだったと思う。

山口の所属していた大日本愛国党の総裁は赤尾敏である。赤尾は戦前、親米反共の立場から太平洋戦争に反対し、東條英機内閣と対立した。翼賛選挙では大政翼賛会の推薦を受けずに当選した。戦後は浅沼殺害事件で右翼のテロリストのイメージがついた。銀座・数寄屋で演説を行い、たびたび選挙に立候補した。最近では、泡沫候補として過激な政見放送が取り上げられていたが、テレビに写るのとは違った姿もある。

CIAから資金提供を受けていたとされる岸信介は、安保条約でデモ隊に取り囲まれた。防衛庁長官に自衛隊による治安出動を打診するが拒否され、首相官邸で自決を覚悟するところまで追い込まれた。岸信介がデモを見て死を覚悟した──僕たちの世代からすると信じられないことではあるが、デモが暴動を意味する時代があった。

近代日本の政治はアメリカとの関係で動いてきたとも言える。ペリー来航に始まり、太平洋戦争、そして冷戦。距離こそあるが、太平洋を挟んだ隣国とも言える。ベルリンの壁の崩壊から30年、そろそろ冷戦後のアメリカとの距離の取り方についての議論を検証すべきときではないか。印象論ではあるけれど、僕はアメリカの覇権がどうなるかについての見通しが誤っていたように思う。僕はまず、アメリカとの関係を軸に歴史を整理してみたい。

北朝鮮の建国70年

金正恩が張成沢を処刑したとき、どんな気持ちだっただろうか。北朝鮮の内情は伺い知れないが、金正恩の後見人とされていた張を処刑しなければならなかったところに北朝鮮という国家の体質を感じる。身内とはいえ私情を挟めばたちまち体制が危うくなるのだろう。

金正恩は永世中立国であるスイスで育った。品の良い育ちではあるけれど、延坪島砲撃事件を指揮したとされている。金正日の後継者として指名される過程で世界を驚愕させるような過激な行動を取る必要があった。父親は脳梗塞で倒れ、心筋梗塞で死んだ。しかし、その後の金正恩の行動を誰が予想しただろうか。

ソ連崩壊で共産主義国は廃れたが、中国は改革開放政策を推進し市場経済を導入した。北朝鮮は共産主義の看板を掲げたまま存続したが、世襲で金正日が最高指導者になった北朝鮮を共産主義国というのかどうかは怪しい。最近になって党規約から「共産主義」の文字を削った。

あの小国が中国、ロシア、韓国、アメリカのなかでバランスを取るのは難しい。朝鮮人民軍を抑える必要もある。だからこそ金正恩は核戦争の脅威を煽り、自国の科学技術を誇示したのだろう。そして日本を蚊帳の外にして米朝首脳会談を実現させた。その手腕は侮りがたいものがある。

北朝鮮に観光に行ったアメリカ人学生が政治宣伝ポスターを盗もうとして拘束され死亡したことがある。死亡した学生が通っていたバージニア大学は、第三代大統領のトーマス・ジェファーソンが創立した。日本人では国連事務次長になった明石康氏が留学している。拘束されたアメリカ人学生は決して頭が悪かったわけではなかったのだろうが、軽率な行為で命を落とすことになった。

北朝鮮の国情は分かりにくい。住民の証言が必ずしも真実とは限らない。北朝鮮について議論するならば日本の新聞に載っているような情報でも十分だと思う。わずかな情報であっても、金正恩にどのような選択肢があるのかを考え抜くことが重要だと思う。問われるのは教養だ。
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